ご卒業おめでとうございます。

令和二年度 柴田町立柴田小学校卒業式 式辞
 
 例年になく雪の少ない暖かい冬が過ぎ,梅の花開く季節となりました。四月から中学校生活という未来に旅立つ七名の皆さんに、心から祝福の言葉を贈ります。卒業おめでとうございます。
 そして、この厳しい状況の中、保護者の皆様にはご理解とご協力をいただき、ここに第六十二回卒業式を挙行できますことは、この上ない喜びであり、厚く御礼申し上げます。
 
さて、先ほど卒業生に卒業証書を手渡しましたが、一人一人の堂々とした、しかも喜びに満ちた晴れやかな表情に、巣立ちの日を迎えた皆さんの心の高まりを感じ、うれしさが一層募りました。

 思えば、皆さんが最高学年として活躍したこの令和元年度は、平成が令和に変わり、時代の節目を迎えた年と言えます。日本全体が、晴れやかで希望に満ちた雰囲気の中、皆さんはいつも柴田小学校の中心でした。

 5月の運動会で、縦割り班のリーダーとして応援合戦を引っ張る姿は、最上級生としての決意と頼もしさを感じさせるものでした。
 6月の修学旅行では、友達と協力しながら仲良く活動している様子を間近に見ていて、今までの6年間で培われた、温かな人間関係を見た思いでした。
 お互いに言いたいことを言い合い、でも、その奥にはお互いを思いやる優しさがある。まるで、担任の先生を中心とした一つの家族のような雰囲気が、いつも感じられました。

 しかし、令和元年度は良いことばかりではありませんでした。十月には台風の影響で、楽しみにしていた全校遠足や地域の行事が中止になるなど、残念なことが続きました。そんな中でも、卒業生の皆さんは、いつも笑顔で前向きで、在校生や私たち職員の気持ちを励ましてくれるかのようでした。

 そして、二月二十八日。昼の放送で臨時休業の話を聞いたとき、皆さんはどんな気持ちだったでしょう。突然、三学期が終了する。小学校生活が今日で終わり。皆さんの戸惑いは大きなものだったでしょう。そんな中、急遽、皆さんは、午後の時間を使って全ての教室を回り、家庭科の時間に作成した手作りのペンケースを、在校生にプレゼントしていました。「今までありがとうございました。」いつもと変わらない明るく元気なその言葉には、在校生に対する感謝とともに、柴田小学校を後輩に託す熱い思いが感じられました。一番最後に五年生にプレゼントを渡したとき、こらえきれず、お互いにみんなで涙を流していましたね。皆さんのその純粋でまっすぐな思いは、来年の柴田小学校を背負う五年生の心に、しっかりと響いたはずです。
 
 さて、初めに「令和元年度は、時代の節目を迎えた年」と話しました。この、物事の区切りを表す「節目」という言葉は、植物の「竹の節」から来ている言葉です。皆さんも知っているように竹は中が空洞です。そのため、この節がないと成長できないそうです。そして、この節が多ければ多いほど、太く大きく成長できると言われています。まさに今日は、皆さんにとって人生最初の節目です。これまで学んできた小学校での生活に区切りをつけて、たくさんの思い出や、支えていただいた方々への感謝の気持ちをしっかりと心に刻み、次のステップへ進んでください。
  
 保護者の皆様におかれましては、卒業後の中学校での生活に不安を抱かれている方もいらっしゃるかと思います。中学校での義務教育最後の3年間は、小学校での6年間以上に、心も体も大きく変化する時期です。新たな環境で、皆さんのお子様が伸び伸びと成長していく姿を、どうぞ今度は、少し遠くから、温かく見守ってください。

 これまで、お子様の健やかな成長を願い、職員一同誠心誠意努めて参りましたが、十分期待に応えることが出来なかった点があったかもしれません。にもかかわらず、本校の教育活動に対しまして、格段のご理解、ご支援をいただきましてありがとうございました。心より御礼を申し上げます。
 
 卒業生の皆さん。先ほどは、皆さんの素晴らしい英語のスピーチを聞かせていただきました。最後に、私からも、皆さんの門出に際し、英語で、はなむけの言葉を贈り、式辞とさせていただきます。

 your learning never end  good luck to yo     
(これからも勉強は続きます。頑張ってください。)

 令和二年三月十九日
   柴田町立柴田小学校 校長 粟野 和彦
2020年03月19日(木) No.90

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